私が購入した「ヴァンエック・アフリカ・インデックスETF」(AFK)の組入銘柄上位10社に含まれる企業について、どんな事業をどこでおこなっているのかを調べています。今回は「Naspers」です。
「Naspers」は南アフリカの企業
「ナスパーズ」という名前、聞いたことがあるような無いような。何してるのかはまったく知りませんが。
と思って日本語で検索すると、たくさんヒットしました。日本でもけっこう知られているんですね。ん?「南アのソフトバンク」?
ナスパーズについてまとめてくださっているブログ記事がありました。
なるほど、ナスパーズは南アフリカに本社があるメディア関係の持ち株会社で、「テンセント」の大株主なんですね。アリババの大株主であるソフトバンクと似てるから「南アのソフトバンク」。
しかも120か国以上で事業を展開しているとのこと。「アフリカの企業」と聞いてイメージするものよりもはるかに大規模でグローバルな企業です(私の勝手なイメージですごめんなさい)。
テンセントといえば、中国のネット大手。テンセントが展開する「WeChat」は、仕事で使っていたこともあり、ちょっとだけ親近感があります。アフリカでもWeChat、わりと普及しているそうですね。であれば、私は AFK ⇒ ナスパーズ ⇒ テンセント(WeChat)⇒ アフリカ地域、の流れで投資をしていると考えられる(合ってます?)。
そいえば最近、「テンセント、時価総額で世界10位圏から後退」なんてニュースがありました。中国の政府による規制強化が背景にあるようですが、テンセントの収益への依存度が高いナスパーズへの影響は気になるところです。
こんな記事も発見。テンセントは、ナスパーズが出資した2001年から17年間で株価が4,700倍にも!
テンセントの筆頭株主が南アフリカの企業だなんて、全く知らなかったです。テンセントは、中国企業だけど中国法人とは限らない。
南ア法人だけど・・・
ナスパーズの株への投資は、間接的にテンセント株への投資になる、ということになるんでしょうか。中国株への投資、やったことはもちろん、まじめに検討したことも今までなかったのですが、しらないうちにテンセントに投資してたみたいです(笑)
いや、それよりも、ナスパーズという企業は「アフリカ企業」と考えていいんでしょうかね、直感的な意味で。まちがいなくアフリカ企業ではあるんですが、ちょっとだけモヤモヤします。
ナスパーズは、テンセントのほかにも、ロシアの「Mail.ru(メイル・ルー)」というネット企業の大株主でもあるのですが、同時にテンセントがMail.ruの株式を保有していたりして、なんだか複雑…。
そしてテンセントは、「Facebook」にも出資しているロシアの「デジタル・スカイ・テクノロジーズ」の株も保有しているそうでして…。資本関係が複雑すぎて、初心者には手に負えなくなってきました。
気分転換に、Naspersのホームページをのぞいてみることに。
「Annual Report 2021」がありました。全部に目を通すのはムリなので、見た目でなんとなくわかりそうなところをピックアップ。
まずはこれ。「Where we operate」。
アフリカはほぼすべての国をカバーしています。というか、全世界ですね。「アフリカに投資する」つもりで購入したETFに、こんなグローバル企業が含まれることを、はずかしながら想定していませんでした。
次はこれです。各セグメントの業績。
テンセントとメイル・ルーを含む「Social and Internet Platforms」が、収入と営業利益の面で突出しています。テンセントへの依存度が高いというのは確かなようですね。
たくさんの企業のロゴが下に並んでいますが、正直なところほとんどわかりません。Udemyはなんとなくわかります。エドテック(EdTech)関連には興味深々。人的資本への投資コストも、どんどん下がっていきますね。ありがたいことです。
最後にこれ。最下段のSDGsマーク。
SDGsのゴールが幅広くカバーされています。これまで見てきた企業も、どのような活動をしてどのゴールの達成に貢献している、という説明をHPなどでしていました。この企業は出資先の事業そのものが社会課題解決につながっています。ということはインパクト投資?
南ア法人であるナスパーズは、「アフリカ企業」というより「グローバル企業」でした。
「Naspers」の株価チャート
Naspers のHPで株価チャートを検索したら、Johannesburg Stock Exchange(ヨハネスブルグ証券取引所)のサイトに誘導されました。
過去3年間の値動きですが、2,000~4,000 ZAR(南アフリカ・ランド)の間で大きく変動しています。過去1年は下降を続けていますね。
2021年12月24日の終値は 244,510 ZAc (セント) = 2,445.1 ZAR。2021年12月27日時点の為替レート、1 ZAR ≒ 7.35円 で計算すると、日本円で約17,971円となります。ちなみに配当利回りはかなり低い模様。収益はどんどん成長企業に投資しているんでしょう。
米国市場ではNaspersのADR(米国預託証券)というものも取引されているようです。ADRなんて初めて聞きました。これは今後の課題。
テンセントの株価推移も気になりましたが、今日はおなかいっぱい。テンセントのアフリカとのかかわりも調べてみたいので、またの機会にしようと思います。
アフリカのことを忘れてしまいそう…
ナスパーズのHPで子会社として紹介されていた「プロサス(Prosus)」という企業があります。南ア以外のネット企業への投資は、2019年にオランダ・アムステルダムで設立されたこのプロサスがおこなっているようです。テンセントやメイル・ルーの株はプロサスが保有していることになります。そして、ナスパーズはプロサスの株を過半数持っている、と。
テンセント株の時価総額で考えると、プロサスやナスパーズの株価は過小評価されている模様。なぜ??
とにかく資本の保有構造が複雑で、ちょっとついていけません。軽くパニくってきたので、今日はこのあたりで撤退します。
今回は南アフリカに本社があるハイテク系持ち株会社のナスパーズについて調べてみました。
とにかく意外だったのは「アフリカ企業」でありながら、かなりの「グローバル企業」だということです。テンセントという中国企業の筆頭株主である点も。
まあ、AFKには中国企業が含まれているので、AFKを購入すれば、アフリカ企業だけでなく中国企業にも投資していることになりますよね。
しかし、テンセントが中国企業というよりも「多国籍企業」だということも念頭におくと、ナスパーズへの投資はもはやアフリカ投資の枠を超えている気がします。AFKにはそんな企業も含まれているんですねぇ…。
あくまで私のイメージを基準にした話ですので、わけわかんないという方、どうかご容赦を。
とにかく今回は、アフリカのことを忘れてしまいました(笑)
ここまで、AFK組入上位5社をざっくり見てきましたが、それぞれまったく異なった様相で、勉強になりました。と同時に、調べれば調べるほど、わからないことがどんどん出てきて、途方に暮れそうになります…。