私が購入した「ヴァンエック・アフリカ・インデックスETF」(AFK)の組入銘柄上位10社に含まれる企業について、どんな事業をどこでおこなっているのかを調べています。今回は「MTN Nigeria Communications」です。
AFKの価格
そのまえに、AFKの価格をチェックしておきます。(リアルタイムチャートはこちら)
2021年12月10日の終値は $20.38 。
(購入時の2021年11月17日は「21.50ドル」でした)
この時点での損益は $-1.12(-5.21%)となっています。
この2、3日前には、20ドルを切りそうな日がありましたが、少し持ち直したんですね。
あいかわらず理由はわかりませんが、価格は順調に下がってます。購入して以来いちども損益がプラスになったことがありません(笑)
値下がりした時に買い増せば、取得単価の平均を下げることができますが、初心者にはタイミングの判断がつきづらいです。
タイミングを計ったりせず、定期的に坦々と買い増し続ける、といういわゆる「ドルコスト平均法」。ちまたでよく聞くカッコいい言葉ですが、近いうちに検討してみたいと思っています。
「MTN Nigeria Communications」はナイジェリアの企業
まずは試しに「MTNナイジェリアコミュニケーションズ」でググってみました。
いきなり物騒なタイトルのニュース記事が。
「2021年を通してナイジェリアの人々は、誘拐、農民と牧畜民の衝突、学生の大量誘拐、武装強盗などと闘うことを強いられている」とは、いかにも物騒ですね。テクニカルサポートが提供できないかも、だそうです。
こっちも。
この企業がなんらかの違反を犯したかどで政府機関に罰金の支払いを命じられ、その金額を不服として始まった裁判が、2015年から3年の係争を経て終結した、と。違反の悪質さの程度はわかりませんが、罰金は半分以下になったようです。
とりあえずわかったことは、「MTN Nigeria Communications」はナイジェリア最大のテレコム(電気通信)会社であることと、南アフリカに本部がある「MTNグループ」の子会社であること。
まあ、想像通りですが、ナイジェリアの企業です。
しかしナイジェリアという国は、経済大国にもかかわらず(?)物騒な雰囲気。外務省の危険情報によると、国土の半分が「レベル3: 渡航はやめてください (渡航中止勧告)」以上で、首都ラゴスを含む残りのほとんども「レベル2:不要不急の渡航はやめてください」になっています。南アフリカやケニアに比べて治安の悪さが気になる国です。
親会社である「MTNグループ」については日本語の情報が比較的充実している様子。
ところで、この「MTN Group」も AFK に組入れられているんですけど、これって別に不思議なことではないの?
これは12月9日現在の、AFK上位20社のリスト。割合は MTN Nigeria のほうが多いです。
MTN Group のほうも気になりますね。
「MTN Group」は南アフリカの企業、だけど、アフリカ各地に進出
MTN Group は南アフリカのヨハネスブルグに本部がありますが、数多くのアフリカや中東の国々に進出しています。
その中でアフリカ大陸にある進出先国は、ベニン、ボツワナ、カメルーン、コートジボワール、ガーナ、ギニアビサウ、ギニア、リベリア、ナイジェリア、コンゴ共和国(コンゴ民主共和国ではなく)、ルワンダ、スーダン、南スーダン、エスワティニ(スワジランド)、ウガンダ、ザンビア。南アフリカを含めて全16か国。
なんと!16か国!
これはかなり「アフリカの企業」という印象を強くしてくれます。AFKに投資をすれば、これらの国でビジネスを行う企業に投資したことになる。
こんな記事もありました。MTN Group はエチオピア進出にも意欲を見せているそうです。
ただ、その際にカギとなるのが、モバイルマネー事業に参入できるかどうか、だとか。出ましたよ、前回に引き続き、M-PESAの名前が。アフリカでモバイルマネー産業がどれだけアツいのかよくわかりました。
エチオピアは大国ですが、まだモバイルマネー市場は未開拓なんですかね。この1年ほど、紛争のニュースをよく目にしますし、「それどころじゃないんだよ」ってことなのかな。
なんにしても、南アフリカ企業はアフリカ各国への進出にとても熱心であり、MTNはそういった企業のひとつのようです。
「MTN Nigeria Communications」と「MTN Group」の株価チャート
MTN Nigeria のサイトは読み込むのにやたらと時間がかかりますが、なんとか株価チャートまでたどり着けました。以下は過去2年半くらいの動きです。(Nigerian Stock Exchange(ナイジェリア証券取引所)に上場されているので、そちらのサイトにも行って MTN Nigeria を調べてみましたが、チャートは見づらかったので割愛)
現在の株価は ₦174.5 です。ちなみに ₦ は「ナイジェリア・ナイラ」。₦1≒\0.28 です(2021年12月12日時点)。ということは株価は日本円で \48.9。
この期間、コロナショックで一度 ₦92 を付けていますが、そこから上昇基調で、先月は ₦201 という最高値を付けています。コロナショックからざっくり2倍。ただ、コロナ前は下落傾向にあったようです。
MTN Group のサイトもみてみました。サイトの見た目は MTN Nigeria とそっくりですが、こちらはNigeriaより読み込みがはやい。よろこんでたら、なぜか株価ページがきれいに読み込めなく…。
Johannesburg Stock Exchange(ヨハネスブルグ証券取引所)のサイトに行ってみることにしました。
現在の株価は 15,800″ZAc”。これって”セント”でいいのかな?100ZAc=1ZAR(南アフリカ・ランド)であれば、158 ZAR 、日本円で約1,123円となります。1 ZAR ≒ \7.11 で計算しています(2021年12月12日時点)。
チャートの形は MTN Nigeriaと似てますね。しかしコロナショック直後からすると、株価は3倍以上です。どちらの株価も、コロナ前は低調な印象ですが、コロナ禍では上昇しています。
南アフリカ企業はアフリカ進出に熱心
今回はAFKの上位10社に含まれる「MTN Nigeria Communications」について調べました。
その過程で、10位以下に含まれる「MTN Group」のことが気になってしまいました。
親子関係にあるのなら、これらをまとめて、アフリカの16の国に展開するテレコム企業、として理解すればすっきりします。
南アフリカの企業が、他のアフリカの国々への進出に熱心だということもわかりました。これは以前見た、モロッコの企業とも似ています。
AFKへの投資が、アフリカ全体への投資になる、という感覚がさらに掴めてきました。
さらに企業ごとに調べていきたいと思います。