皆さんは、「円高」とか「円安」とか、どのくらい理解してますか?「為替」って、なんて読むか知ってますか?私は米国株や米国ETFをちょこちょこ買うようになった最近まで、円高円安、わりと他人事でした。
今回は私の購入したAFKの円建ての価値について考えてみたいと思います。というか、まずは為替レート、特に円ドルレートの基礎を勉強します。
「為替(かわせ)レート」は、通貨の交換比率
AFKはUSドルで買います。私のように日本国内でコテコテの日本企業勤めのサラリーマンは、円でお給料をいただき、それを元手にAFKを購入するわけですから、手持ちの円をUSドルに交換しなければいけない。
通貨の交換比率を「為替(かわせ)レート」といいます。私の場合は、円とドルの交換ですから、ニュースや新聞などでよく目にする「円・ドルレート」にしたがって、円をドルに交換します。
「1ドル=110円」とかいう、あれです。
アメリカに旅行に行くときや、留学のためにアメリカに引っ越すときなど、ドルが必要な場合は、近所の銀行に行ってドルを購入しますよね。帰国後に、あまったドルを円に交換したり。こんなとき、円ドルレートを駆使して、いったい何円を準備しなければいけないのか、何円もどってくるのか、計算します。「あれ?どっちをどっちで割るんだっけ?掛けるんだっけ?」的な。
最近は旅行中の買い物にクレジットカードを使う機会も増えましたが、値札のドル価格を円に換算するために円ドルレートを使います。
逆に言うと、そんなときくらいしか円ドルレートについて気にしたことありませんでした。年に1回、あるかないか。いや、そんなにない(笑)
だから、株式投資をはじめてから、為替レートについても勉強しなければな、と思うように。
「円高」「円安」こんな覚えかたでごめんなさい
初心者の私には、「1ドル=110円」から「1ドル=115円」に変化した場合を、「円安」というのか、「円高」というのか、即座にはわかりません。
ちなみにこの場合は「円安(ドル高)になった」といいます。110円で買えていた1ドルが、いまは115円出さなければ買えなくなった、つまり1ドルを買うために必要な円が増えた、ドルに対する円の購買力が下がった、円の価値が安くなった、だから円安になった、と。
110円が115円になるんだから、円高っぽくありませんか?数字が増えてるし。だけど実は円安。
「直感と逆」なんですよね。しょぼい直感ですが(笑)
だから、慣れるまでの覚え方は「数字が増えれば、円高、と見せかけて実は、円安」。
「直感と逆」を、あえて利用します。
こういうの、私の癖なんですよね。太陽が昇る方角だって、いまだにひどい覚えかたです。天才バカボンのオープニング曲で「西から登ったお日様が、東へ沈~む~」って歌がありましたが、実際はその逆なんだよな、って。
こんな覚えかたでごめんなさい。
でもね、まがいなりにも株式投資を始めて、あれこれ見聞きするうちに、最近やっと慣れてきました。直感的に、1ドル=110円が115円になったら、円の価値が下がったと思えるように。
なにごとも、けっきょくは「慣れ」ですな。
円安ドル高になってる?
AFKは米国市場で取引されていて、私はSBI証券の口座を通して、米国株取引と同じようなやり方で購入しました。
1口だけの購入で、価格は 21.5USドル。
ドルでAFKを購入するため、私はあらかじめ、住信SBIネット銀行の外貨預金口座で3,000円ぶんのドルを購入しました。その時の為替レートが 1ドル=114.91円(買付手数料1ドルあたり4銭が含まれています)。
21.5ドル × 114.91円/ドル = 2,471円 だから、私はAFK1口を 2,471円 で購入したことになります。
この時の為替レート、そのちょっと前に比べて「円安ドル高」だったように記憶しています。
チャートを見ると、やはりそうでした。購入2ヵ月まえ(2021年9月中頃)の水準は1ドル=110円前後。
私がドルを購入して以降のここ1ヵ月はやや安定的ですが、こうやってみると、2021年は年初からずっと「円安」方向(数字が大きくなる方向)に推移していたんですね。
年初が 1ドル=103円 だとすると、この1年で 10% も円が安くなっていることになります。
見かたを変えると、ドル資産を持っていれば、円換算ではこの1年で10%も上昇していることになりますな。もしAFKを年初に買っていれば、円換算では今ごろ、為替変動だけで儲かっていたかもしれないんですね。
この先も、この円安傾向は続いていくんでしょうか。
円ドルレートは各通貨の「人気」で決まる
経済学の教科書によると、円ドルレートを含む為替レートは、各通貨の「需要と供給」で決まるそうな。
私の理解では、つまり、相対的に「人気のある通貨が高くなる」ということ。
ドルよりも円の人気が高まれば、「円高ドル安」になる、という具合に。
そしてその人気は、大きく分けて、①その国の商品に人気があるか、と、②その国が投資先として魅力があるか、の2つによって決まります。
① その国の商品に人気があるか
アメリカに住む人たちが日本の商品を買うためには、その支払いのために、どこかの段階でドルを円に交換する必要があります(日本に住む人がアメリカの商品を買うためにはその逆)。
Made in Japanの商品は、海外で高い人気を誇ってきました。日本は資源に乏しいので、海外から輸入した資源を、高い技術力で加工し、生産した家電製品や自動車を外国に輸出して稼ぐ。私が子どものころは、日本はこのような「加工貿易」で儲けて、貿易黒字を積み上げているんだ、という感じの説明を、社会科の時間に受けていたように記憶しています。
日本製品は人気でしたから、それを購入するために円が買われ、円高ドル安になってきたはず。貿易黒字とセットで。
実際、変動相場制に移行した1970年代以降、長期的には円高ドル安で推移しています。
この考え方で、長期的な為替レートの変動をまあまあ説明できるみたい。
② その国が投資先として魅力があるか
日本円で投資をする私がアメリカの資産を購入するためには、円をドルに交換しなければいけません。
日本の資産を購入するなら円のままで構いませんが、なんせ日本はずーっと低金利ですからね。仮にアメリカの金利が上昇すれば、日本の国債を売って、米国債を買う人、増えるんじゃないでしょうか。そのほうが儲かりそう。
アメリカの資産が日本の資産よりも、投資先として”より魅力的”になれば、円を売ってドルが買われ、円安ドル高になっていく。そういう考え方です。
ということは、日米の金利差(ドル金利 ー 円金利)が広がるほど、円が売られて円安になる、ということになりますが、実際はどうなんでしょう。
よくわかるグラフがあったので参考にさせていただきます。
日米金利差以外の要因もあるでしょうから、完全には同期していませんが、おおむね、金利差が大きい時は円安になっているようです。
こちらは円ドルレートの短期的な変動をある程度説明できそうですね。
これからの円ドルレートは?
アメリカでは来年(2022年)、金利を上げる可能性が高まっているそうです。上述の②で考えると、すくなくとも短期的には「円安ドル高」か現状維持。円高になることはないといえそうです。
一方で、円はリーマンショックなどの金融危機に際して、安全資産として買われた実績もあります。金利以外で円の魅力が相対的に高まれば、円高になることもありえる…のか?
①で考えると、長期的にはやっぱり円安かな。日本の商品は海外で人気がありますから、たくさん売れるでしょうけど…これいじょう貿易黒字が増えていくようなイメージは湧かないです。
なんてね。これだけの知識だとあんまり確実なことは言えそうにないですね。日本経済や米国経済の知識も必要だ。今回はこれくらいにしときましょう。
AFKの為替リスクはやっぱり大きい?
今回は、円とドルの為替レートについて勉強しました。
「金利」とか言ってみましたが、金利にもいろんな種類があって、いったいどれを参照すればいいのか、いまいちわかっていません。いまの理解ではちょっとおおざっぱすぎますので、今後、さらに勉強を進めていきたいと思います。為替レートの世界は奥が深い。迷子になりそう。
しかし、その先にある目的を見失ってはいけません。
為替レートの勉強の目的は、AFKの為替リスクを見極めること。
これまでに見てきたAFK組入企業の株は、南アフリカ・ランドや、ナイジェリア・ナイラ、ケニア・シリングなどで取引されています。これらの通貨の価値は、ドルに対して大きく変動しているかもしれません。
ということは、AFKのドル価格は、これら通貨の安定性の影響を強く受けている可能性があります。
こんなブログ記事があったので拝見しました。(低スペック?いやいや、えらくハイスペックとお見受けしました。)
南アフリカ・ランド、対USドルでこんなにも下落しているんですね…。
対日本円での下落幅はそこまででもないみたい。ここ10年で円も対ドルで下落しましたもんね。
しかし円ベースでもやはり、ランドは下落しています。
ランド換算で株が値上がりしても、ドル換算、そして円換算では下がる可能性すらある。アフリカへの投資は、企業のパフォーマンスよりも、この為替リスクのほうが重大かもしれません。
…気を取り直して、引き続き、ちょっとずつ知識を増やしていきます。