アフリカ投資

AFK 組入銘柄④:Commercial International Bank Egypt(コマーシャル・インターナショナル・バンク・エジプト)

私が購入した「ヴァンエック・アフリカ・インデックスETF」(AFK)の組入銘柄上位10社に含まれる企業について、どこでどんな事業をおこなっているのかを調べています。今回は「Commercial International Bank Egypt」です。

AFKの価格

そのまえに、AFKの価格をチェックしておきます。(リアルタイムチャートはこちら)

2021年12月21日の終値は $19.45ドル

(購入時の2021年11月17日は「21.50ドル」でした)

この時点での損益は -$2.05(-9.53%)となっています。

とうとう、20ドルを割った…。

いえ、泣いてませんよ、泣いてません(涙)

まだ購入して1か月ちょっと。これから何年も保有するETFです、悲観するような段階ではありません。

これは、もっと勉強してから始めろ!という戒めとして受け止めます。

しかし、本当に順調に値下がりしています。どこまで行くんだろう…。

「Commercial International Bank Egypt」はエジプトの企業

気を取り直して、今回もAFKの組入銘柄のひとつを調べます。

Commercial International Bank Egypt(CIB)」 という企業名は初めて聞きましたが、まあ、エジプトの銀行、でしょうね(笑)

名前だけでは、特徴があるようには見えません。しかも、私の意識からちょっとだけ外れてしまっている、サハラ砂漠以北の企業。

いや、差別はいけませんね。アフリカ大陸の会社です。

AFKのなかでの資産割合は、12月9日の時点で上から3番目。

まずは試しに「コマーシャル・インターナショナル・バンク・エジプト」でググってみました。

2011年6月に、当時の三菱東京UFJ銀行がCIBと業務提携を結んだという記事。

アフリカというよりも、エジプトを含む中東への日系企業進出支援がその目的のようにみえます。

それにしても、当時、2011年といえば「アラブの春」の真っただ中、大規模なデモやクーデターで混乱していた年じゃなかったでしょうか。6月にもなれば落ち着いていたのかな。そんな時期にも業務提携、ビジネスの話は進んでいくもんなんですね。

それ以外の検索結果は株価情報などばかりで、思うような情報にたどり着けず。

あきらめて企業ホームページに行ってみました。

企業紹介での説明どおりであれば、CIBは過去40年以上、エジプトでもっとも収益力のある銀行、のようです。

また「”Best Bank in Egypt”という賞を『Global Finance』からいただいています!」との記述。

「Global Finace」ってそういう機関があるんでしょうか?と思って、賞の名前と一緒にググってみたら、どうやら「Global Finance Magazine」という雑誌らしい。サイト内を検索して、2021年版の”Best Bank Award”の記事を発見。

確かに CIB が、”Best Bank in Egypt 2021″として説明されています。

何が評価されて ”Best Bank in Egypt” なんだろう

上の記事を読んでみましたが、正直なところ、他の銀行に比べてどういった点が評価されているのか、つかみきれませんでした。ただ、しろうとの私の注意を引いたのは以下の部分です。

The bank has its own innovation lab, venture capital fund (CVentures) and a 23% stake in the country’s biggest e-payment platform, Fawry.

「e-payment」、つまり電子決済の手段としてエジプトでは最大のプラットフォームである「Fawry」の株を23%も持っている。これで合ってますかね?

またまた出ました、電子決済。この Fawry(ファウリー)という会社は2007年に設立された企業で、2,900万人以上もの人々が利用している、エジプト最大の電子決済システムを提供しているんだそうです。

いわゆる FinTech の企業ですが、2019年にエジプト市場に上場されているようです。本当に、アフリカ大陸ではこの電子マネー的なサービスがアツすぎる。

Fawry株は AFK には含まれていないようですが、CIB を通じて間接的に投資している、と理解していいのかな?

そして、 次に注意を引いたのがこれ。

A local leader in CSR and green finance, the bank is expected to issue Egypt’s first corporate green bond in 2021.

CSR(Corporate Social Responsibility)、つまり企業としておこなう社会貢献活動が評価されています。また、エジプトで最初の企業グリーンボンドを発行することが予想されているのだそうです。グリーンボンドといえば、環境問題を解決するための資金調達が目的で発行される債券のことですよね。

インパクト投資家見習いとしては(?)とても興味があります。金融で社会課題の解決に資する。素敵じゃないですか。グリーンボンドについてはいずれ勉強しようと思っています。

最後にこれ。

This award also takes into consideration CIB’s expansion in sub-Saharan Africa through the opening of an office in Ethiopia and the acquisition of a 51% stake in Kenya’s Mayfair Bank in April of last year. As Egyptian banks are increasingly looking at opportunities abroad, CIB chose to target East Africa through corporate and wealth management.

エジプト企業であるCIBが、エチオピアとケニアへの進出を通じてサハラ以南アフリカへの事業拡大を始めているそうで、この点でも評価されています。うん、エジプト企業ですが、私の中でアフリカ感(?)が強まりました(笑)

「Commercial International Bank Egypt(CIB)」の株価チャート

CIBのサイトの株価パフォーマンスページで、2021年単年の株価推移が見れました。

Commercial International Bank Egypt HPより
(2021年12月22日時点)

2020年の推移も見れます(ここでは図を割愛)が、やはりコロナショックで大幅に下落しています。直前までは 85EGPでしたが、いっきに60EGP台まで下落。さらに今年も乱高下しながら、下落が続いています。(EGPは「エジプト ポンド」で、2021年12月22日時点では 1EGP≒7.27円)

ちなみに株価が急落している8月16日の前日(15日)は、アフガニスタンでタリバンが首都カブールを制圧した日。んー、中東つながりだけど、はたしてこの銀行の株価とどういった関連があるんでしょう?わからん。

2021年12月22日現在の株価は 51EGP、日本円で約371円となっています。この2年で40%程度下がっていることになりますね。

エジプトの企業もサハラ以南アフリカに進出中

今回はAFKの上位10社に含まれる「Commercial International Bank Egypt(CIB)」について調べました。

サハラ以北のアラブの国・エジプトの企業ということで、個人的には「アフリカ」のイメージが弱く、どうなることかと思いましたが、思ったよりもアフリカ感がありましたね。

今後、東アフリカを中心に、この企業もサハラ以南アフリカ進出が進みそうです。

そして「Fawry」。AFK企業を調べるほどに、アフリカの FinTech 熱の強さを思い知ります。この企業、サービスについては、またいずれ調べることになりそうです。そして、アフリカ大陸にはほかにも有力な電子決済サービスがありそうです。

AFKの価格は冴えませんが、組入銘柄を通してアフリカ経済を知る試み、思った以上に楽しいです。こんな感じでぼちぼち進めますね。